埼玉西武・坂田遼選手の引退とスコアラー転身(番組:文化放送ライオンズナイター)

2017年のある日、西武第2球場にイースタンリーグの試合を見に行った。若手選手のプレーを見ることで、気持ちを高めようと思ったのだ。

球場での観戦もニュースからも遠ざかってしまい、完全に浦島太郎状態であった。「おかわりくん」こと中村剛也選手がいつの間にか「おかわりさん」と呼ばれるようになっていたほどである。

●イースタンリーグで、今年31歳の選手がなぜ4番に?
そんな状態でイースタンリーグを見に行ったのだが、その日の4番には坂田遼選手が座っていた。当然誰だか知らずに検索してみたらなんと86年生まれ、同じ年ではないか!しかも誕生日が5日違いのてんびん座である。

ja.wikipedia.org

なぜ「今年31歳の選手が二軍の四番に?」と驚いて、ますます気になり調べてみると、スタメンに定着しかけた年があったものの、あと一歩のところで怪我を繰り返し、一軍と二軍を行ったり来たりになっていたことを知る。

かくいう私自身もそれまでの数年間、(※もちろん野球ではないが…)思うように結果を出せずに逆境が続いていたので、そういった意味でも何となく気になって応援し始めたのだ。「成果を上げられず」というより、チャンスがもらえなかったと思っている。

坂田選手はイースタンで一時期、打率4割をマークするなど調子がよさそうだった。下馬評では「坂田を一軍に上げてやれ」という声もちらほら。なぜ2軍にいるのだろうと、見ていてももどかしかった。


2017年のシーズン終盤に差し掛かり、坂田遼選手が一軍に昇格すると、代打を中心に4割を超える打率をマーク。そして印象深かったのは球場で見た、10月5日のシーズン最終戦だった。

※「ラジオログ」というタイトルだが、この記事がラジオやメディアと何の関係があるのか、というと文化放送ライオンズナイターである。野球とは別に個人的に思い入れがあるので以下で触れておく。

●ライオンズナイターのネット放送にメールを送ってみた

その日のライオンズナイターはインターネットライブ放送。試合前に今年印象に残ったシーンを書き、番組にメールを送ってみた。「いつ読まれるか」とタイムラグのある放送を聞いていた。文化放送ライオンズナイター

その日の実況は寺島啓太アナ、最終戦ということで特別にベンチレポーターが配置されたのだが八木菜緒アナと、フリーアナの小川真由美さんであった。特に八木アナは86年生まれで同い年、寺島アナは85年生まれで1歳上なので、勝手に親近感をもっている。

 
すると八木アナに「ラジオネーム・トム・レディオさん、アミーゴ1001号の方ですね。」と読んでもらえた。その週に放送開始した「DASH!アミーゴ1号、2号」の火曜に引き続き、同じ週に2度も読んでもらえた。

●坂田遼選手、代打で登場。これが1軍最終打席に。
そしてライオンズがビハインドで迎えた9回裏、満を持して坂田選手が代打で登場。嬉しくなり気持ちを込めて応援していた。すると強烈に放った打球はサード頭上へ。三塁手はジャンプするもファンブルしてボールを落とし、強襲内野安打になり出塁。今思うとこれが坂田選手の1軍最終打席となってしまった(試合は6-8で敗戦)。

 [2017年のシーズン最終戦(※撮影者は私でありませんが、ピッタリの動画を上げて頂いたことに感謝)]

 
坂田選手は2018年、春季キャンプから2軍スタート。これもファンとしては非常にもどかしく見ていた。シーズン開始後は2割前半と落ち込み、途中から一回り下の鈴木将平選手と交互のスタメン起用が続いた。シーズン最後には力を振り絞ったのか、打率を急上昇させたのは印象深かったが、結局1軍出場機会はなかった。というより辻監督に使ってほしかった。

そして10月に入り戦力外が発表される。するとすぐに引退を決めたようだ。ファンからからは「まだやれるだろう」という声が多かったようだし、私もそう思った。しばらくもどかしい気持ちが抜けなかったが、本人はやり切った気持ちだったのだろう。((※私は坂田選手のこれまでの経緯をあとから知ったので、他のファンの方のブログをリンクさせていただく。気持ちとしては大体同じだと思う。傍から見れば無念かもしれないが、本人はそうではないかもしれない。坂田遼の無念: 西武ライオンズファンブログ ~獅子の鼓動が聞こえる~ ))

「球団を離れずにスコアラーに転身する」とのニュースが飛び込んできた。西武球団への愛着はファンとしても嬉しかった。きっとこれまで1軍出場で培った経験からすれば、裏方として後輩の選手たちに何か伝えることがあるのかもしれない。


11月23日の引退セレモニーは、あとから拝聴した。「戦力にはなれませんでしたが、チームが優勝できたこと…」。スピーチのなかのその言葉は、とても優しい気持ちで聞くことができた。

tv.pacificleague.jp

私が坂田遼選手の存在を知ってからの期間は短かった。ただ、同い年ということもあり、かなり気持ちを込めて応援してきた。まずはスコアラーとしての道を歩まれるようだが、坂田遼さんが新たな形でご活躍されることを願う。(というより、同い年の自分も負けずに頑張らなければ、という気持ちだ)